お彼岸

日々の生活において

熱帯蓮

お彼岸は、亡き方を御縁として、ともに仏道精進にはげむ大切な日であります。彼岸(ひがん)とは仏の世界を意味する言葉であり、自身が仏さまのような心をもてるよう日々の生活を見つめ直し、自らが善き行いを実践し豊かな心を育む期間といえましょう。
9月21日(月)本堂にて午後2時より お彼岸のご回向を執り行います。

今年は「コロナ禍」の中で日々をどのように過ごすのか、を再度見つめ直す機会となったように思えます。また、ご先祖より続く命のつながりの中で、困難な状況の中でも、今ある自分に感謝の心が自然と湧く感じを受けたのは私だけではないはずです。緊急事態宣言は現在発令されておりませんが、いつ収束するか分からない状況の中で、その現実を受け入れ、豊かな心を育めるように日々を過ごすことが重要となってきます。

「自粛」という言葉がメディアなどを通じ何度も聞かれ、心が不安になる状況が続いています。その心の不安を取り除くために空海は、「背暗向明(はいあんこうみょう)」という言葉をお説きになられています。

人生の様々な局面で、とにかく光を見つめなさいと教えておられます。人生を豊かにする方法があるとすれば、「暗いものに背を向け、明るいほうを向くこと」です。暗い面ばかり見ていても、希望はもてません。強い心も生まれません。苦しい逆境の時にこそ希望の中に光を見出し、明るいほうを向くことで、より良い方向に進むことができるでしょう。自粛という期間をプラスに捉え、自分を見つめ直せば、その今おかれている境遇に意味や価値を見出せるようになるでしょう。悪い状況というのは、さまざまな悪い要因が重なって起こっているのだから、逆にそういう時こそ良い因果関係を重ねる努力をすることで、状況は良い方向へ変化させることができます。その結果、自然と自分の心の奥底に眠っている仏の智慧が湧き、正しい動機に基づいた日々の生活を行うことになり、豊かな心を育む日々を送ることができるようになるでしょう。

※現在、様々な対応が求められる状況でございますが、当山の諸行事に関しても臨機応変に対応させて頂きますことご了承お願いいたします。

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